まりこの本棚

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「ハーレクイン・ロマンス 恋愛小説から読むアメリカ」尾崎俊介 感想

ハーレクインロマンス 恋愛から読むアメリカ 尾崎俊介
 
私、いつもはノンフィクションはミステリーとか
ファンタジーとかホラーとかそういうものを好んで読むんだけど
なんだか最近、ベタベタのラブストーリーが読みたい気分
現実世界でそういうことがなくなった反動か?
最後の発情期か?
 
いくつか日本の恋愛小説を読んでみたんだけど
ハッピーエンドでなかったり、対象年齢が私とあわなかったりで
なかなか好みのものがみつからない
 
で、なんかいい本ないかなーと思って
目を付けたのがハーレクインロマンスである
本屋のすみで専用の本棚に置かれている
あやしげなペーパーバック
若いころは恋愛に餓えたおばさんが読むものだと思って
手に取ったこともなかった
しかし私も順調に年を取り、対象ぴったりになってしまったので
そろそろ読んでもいいと判断したのだ
 
いきなりハーレクインを手に取るのもよいのだが
まずは解説書からと思って読んだのがこの本である
 
いや~面白かったし、いろいろ考えさせられた
ここにでてくるハーレクインロマンスを読む女たちは
まさに私の世代
30歳から50歳くらいの女性だ
 
「世界百十四か国、二十八言語以上で読まれ
 恋愛小説に代名詞として知られる「ハーレクイン・ロマンス」
 主人公のヒロインが、長身マッチョでエリートのイケメンと
 すったもんだの末に、ハッピーエンドを迎える
 シンデレラストーリーは、どう読まれ、書かれてきたのか
 ヒロインとヒーローの返還、フェミニズムとの攻防・・・
 偉大なるマンネリ小説から、アメリカ社会を読む」
さすが大学の先生、恋愛小説からアメリカ社会を読んでしまうのだ
 
私が一番興味をもったところは
なぜ女性たちはロマンス小説を読むのか、である
女性たちは言う
「他人の面倒を見ることから一時的にでも離れるため」
「ロマンス小説を読む時だけが自分の時間だから」
「現実からの逃避」
なぜ現実から逃避しなければならないか
そこからのフェミニズム
「ロマンス小説は、
 女性の恋愛願望を満足させる効能だけでなく
 女性の成功願望をも満足させる効能がそなわっている
 
 女性の自己実現への道がほとんど閉ざされている現代社会において
 女性が社会的成功と生活上の満足を得るための現実的な方法は
 そのどちらも与えてくれるような素晴らしい男と結婚する以外にないので
 それをかなえる物語のハーレクインロマンスに女性の人気が集まるのは
 当然である」
 
なるほどねー
女性にとって生きづらいこの世の中の
息抜き、現実逃避なのね
 
 
ハーレクインロマンスにおおいに興味をもった私は
早速キンドルアンリミテッドに登録して
何冊もダウンロードした
さあさあ私を現実逃避させてくれっ
 
 
結果はおもしろくないことはないけど・・・
点数をつけるなら60点くらいか?
うーん
 
とにかくストーリーがワンパターンすぎる
主人公のヒロインが(かわいい)イケメンマッチョ金持ち(シークアラブの王様というパータンもあり)
と出会いいろいろあって最後は結婚
一言でいうとこれである。
なん十冊も読んでみたが、全部同じ
もうどれがどれだか思い出せない
ページを閉じてしまうとすぐに忘れてしまう
 
そして出てくる男が私の好みではないのだ
イケメン、マッチョ、金持ちエリートはいいとして
女にやたらとモテて遊びまくっている
強引だがたまにやさしい
でもすぐに勘違いして怒る
って、欧米の女性はこういう男性が好きなの?
私はめんどくさくてやだな~
それに遊びまくっている男が
自分だけに真実の愛?誓うなんて信じられる?
結婚したってすぐに浮気するでしょ、するよ
リアリティーがないほうが
現実逃避できるのでよいと本には書かれてあったが
私はつっこみどころ満載で
いまいち集中できなかった
 
文句ばっかり書いてしまったが
もちろんいいなと思った点もある
ワンパターン、ハッピーエンドが約束されているから安心して読める
大部分の女性の夢を詰め込んでいる
小説の製品化 テンプレートがあるから
品質が安定している
世界中で売れているにはやっぱりわけがあるのだ
 
日本版ハーレクインやったらどうだろう
登場人物やストーリーをもっと日本人ごのみにして
パターンを増やして
 
でも考えてみれば日本では
少女漫画や女性漫画が
その役割をしているのか
自分好みの面白いのたくさんありそうだな
探してみよ